正式にはヘリコバクター・ピロリといいグラム陰性桿菌に属します。大きさは0.5 × 2.5~4.0μmで、数本のべん毛を持ち胃の中を移動します。オーストラリアの教授二人がピロリ菌を初めて発見し2005年にノーベル賞を受賞しています。ピロリ菌は自らを胃酸から防御するために毒素(アンモニア)を作り、その作られたアンモニアが胃粘膜に長期的な障害を加えることで慢性的な炎症(慢性胃炎)を生じさせます。
ピロリ菌の感染経路は不明ですが、ピロリ菌の感染は、衛生環境による原因のほか、5歳ぐらいまでの間に母親から感染することが多いとされています。
胃潰瘍の方で約7割、十二指腸潰瘍では9割以上の方が、ピロリ菌に陽性反応を示します。また、ピロリ菌陽性の方は、胃がんの発生率が高いともいわれています。また、長期間のピロリ菌の感染は胃がんだけでなく胃・十二指腸潰瘍や悪性リンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病などとの関連も指摘されています
一度除菌ができれば、再感染はほとんどありません。胃がんのリスクを減らすためにも早い段階でのピロリ菌の除菌をおすすめします。